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不動産の基本のき

一般的には意外と知られていない役立つ情報満載!不動産取引全般に おける最も重要な点を絞り込み、初心者にも分かり易く解説しています。 ご一読頂くと知っておくべき不動産全般に渡る基本的な知識が得られます。

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購入

立地、環境、価格、境界、権利関係、管理、契約書、重要事項説明書

下記の各項目は、契約前に最低限チェックすべき基本的項目です。

【立地】

最寄りの駅からの徒歩による表示時間は、自分で再度確認しましょう。よくあるのは、駅からの実際の道筋を通ってかかる時間ではなく、定規で駅から物件までの直線距離を測って表示してあるものや、そもそも間違っているものが多いようです。規則では80mを1分表示で表し、端数は切り上げです。例えば、810mは徒歩11分となります。 この徒歩による時間表示が大きく実際より異なるときは、その会社及び物件事体に注意が必要でしょう。

【環境】

この調査を怠ると、取り返しのつかないことになります。

  1. 物件周辺の騒音、異臭等が出そうな施設をチェックしましょう。 騒音の出所としては、道路、工場(プレス工場等)、学校(校庭)、テニスコート、遊戯場、24時間営業店舗、駐車場等が考えられます。異臭の出所としては、工場(メッキ工場、ゴム工場、皮工場等)、焼却場、火葬場、河川等が考えられます。
    チェック方法(A,B両方実施しましょう)
  • まず1500分の1程度の地図(ゼンリンの住宅地図)、及び1万分の1程度の地図(ミリオン)の写し(不動産会社からもらうか、地元図書館で入手可能)で物件の周辺の様々な注意施設をくまなく調査
  • 現地に最低、朝、昼、晩3回は訪れて実際にチェックする。(工場が昼休みで音等がしない時もある)また季節、風向きで異臭が感じられない時があるので、実際に近隣に住んでいる方に3件程度にヒアリングをする。
  1. 河川の近くの物件は、その川の過去の氾濫状況を役所でチェックしましょう。 「何年に一度、床上まで浸水した」とか教えてくれます。また以前沼、田圃、池であった土地は地盤が脆弱なため避けるべきでしょう。
  2. 物件の南側、またはバルコニーの向いている方向の、隣地をチェック。将来高い建物が建たないか調査しましょう。 駐車場、空き地、工場等は避けた方がいいでしょう。農地でも将来宅地化される農地はさけるべきです。すでに戸建住宅が密集しているのが、将来に渡り安全です。
    現在眺望が良いのは逆に注意が必要と言えます。

【価格】

不動産を購入しようとする場合まず同エリアで最低10物件以上は見て相場感をもちましょう。見学に行った時、マンションであれば、全住戸の坪当たりの平均単価を、営業マンに聞きましょう。
一戸建てであれば、土地・建物のそれぞれ価格を聞き、土地の坪当たり単価、建築費の単価を相対的に覚えておきましょう。 同エリアで、ある程度の数をみれば、自然と相場感が養われます。そして、駅からの距離、立地、環境、仕様等を総合的に比べましょう。まずは単価だけを比べて見ましょう。 そして、返済能力等から、総額での善し悪しを判断しましょう。

【境界】

一般の方はあまりこだわりませんが、プロはこれを厳しくチェックします。
特に謄本上の公簿面積と実測面積が異なる時は要注意です。
境界の問題(越境等)は隣地の方とこじれると、自分の所有地の面積が確定しないまま売却もできず、解決まで時間がかかるうえ、非常に面倒です。購入してから、そういった問題が判明することも多く、トラブルが絶えません。
土地等を契約する前に必ず実測図と現地を比べ、境界杭の一本一本をチェックしましょう。
その実測図も、杭の種類まで含めてしっかり明示してなくてはだめです。
また隣地の方の境界を承認する実印(印鑑証明書添付)が押してあるのがベストです。

【権利関係】

契約前に、土地建物と謄本を法務局でチェックしましょう。所有者の確認、抵当権の確認は最低必要です。
契約時に、抵当権抹消の手続きを確認しておきましょう。
また、「(仮)差押さえ」、「競売開始決定」、「短期賃借権」等が謄本に出てくるようですと、売買は要厳重注意です。

【物件・仕様】

  1. 戸建て住宅を購入する時は、建物の「検査済み証」のあるなしを確認しましょう。ないときは厳重注意です。違法建築=欠陥住宅の可能ありです。 また、建築確認申請時の図面と実際できあがった物が同じかも確認が必要です。 マンションでも寸法等自分でチェックしましょう。
  2. 新築マンションの購入時の確認事項としては、居室の天井までの高さ2.4m、天井の厚さ20cm、隣との壁の厚さ18cm以上基準でしょうか、また平均的な60㎡代の3LDKで間口は5.8m以上は必要でしょう。
  3. また、最近では床がフローリングのマンションが多いようですが、フローリングにはそれ相当の防音対策を同時に行わないと、お互い騒音で迷惑を掛け合うようになってしまいます。充分な防音対策が施されているか確認する。
  4. 中古マンションを購入する時は、その建物自体が、現在の建築基準法、各行政の建築指導要綱等から「既存不適格建物」(現行法下では、同じ規模の建物が建たない)でるかどうか必ずチェックしましょう。 上記の建物ですと、同規模の立て替えができない可能性充分です。神戸の震災でもこの問題がマンション立て替えの最大のネックになっています。

【管理】

「マンションは管理を買え」と良く言いますが、その通りだと思います。建ってから10年後、20年後の価値が管理によって全く異なってきます。
「修繕積立金」を徴収していなかったり、異常に安い場合、「管理費」が異常に安い場合、または「修繕積立基金」を徴収していない場合、これは要注意です。
長年に渡る、管理・修繕の重要性をデベロッパーが考慮していない可能性があります。
パンフレット等で修繕・維持管理に関するしっかりした計画をうたっていない物件は避けるべきでしょう。
また管理会社の実績、規模、信用力等も確認しておきましょう。

【契約書・重要事項説明書】

契約書・重要事項説明書は、契約の当日はじめて目にして、良く読まないまま印鑑を押してしまう事が多いようです。 不動産を購入してから様々な問題に気づき、あわてて売主に苦情を言っても「重要事項説明書にちゃんと書いてあります、また読んで確認して頂いた証に捺印をもらっています。」の一言で済まされてしまいます。 裁判でも到底不利な状況となります。 この重要事項説明書を契約の事前にもらい、良く読みましょう。そして解らないことは遠慮せずに事前に質問しておきましょう。大変重要なことが書いてあるゆえ「重要事項説明書」です。よく内容を理解しておきましょう。 また、この渡された重要事項説明書があまりに簡易過ぎる時は、これも要注意です。売主、販売会社等が何も重要と思われる事項を調査していない可能性があります。

■不動産購入前には専門家による安心の「実需向け不動産調査」

建築条件付き土地売買

請負契約の重要性、建物の仕様等詳細をチェック

現在、建築条件付きの土地が多く売り出されてます。注意点をまとめてみました。

  • 契約する前に、将来建てる建物の仕様・グレード等、を見積もり書から(各部財のメーカー、品番、寸法等を)細かく決めて契約に盛り込みましょう。
    また、建て物の仕様等が確認できない見積もり書、おおまかな「○○一式いくら」といった詳細をうたっていない契約書の内容では注意が必要です。
    完成していないものを買うわけですから。それらが充分に提示されないまま、ただ「これだけの大きさの家を建てる」と言うようなアバウトな契約は避けましょう。
  • 建物の引渡しを受ける前に、完成後の建物と建築確認図面とを照らし合わせて細部をチェックし、また「検査済証」、「アフターサービスの契約書」等の交付を受けた後、残金を払うようにしましょう。

この取引きは、最近よく行われますが、トラブルも多いようです。
これは、不動産会社(建設会社)にとって土地に利益をのせて売却できない分(土地を安く仕入れることは、競争が激しく非情に困難である中)、建物で利益を出すしかないという現状があるのです。より建築費を節約すれば、節約しただけ利益が多く出るのです。 昨今市場が悪化し、消費者にとっての買い値の上限が頭打ちとなっている現状では、売主は、できるだけ建築費を押さえ、つまり施工会社に外注するのであれば工事費を値切って(これが手抜き工事を招く原因のひとつとなっている)利益を確保するということも考えられるのです。

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競売

競売物件の購入の注意点、競売に向かない人

最近は、一般の方々も競売によって不動産を取得することが増えているようです。これは競売の制度そのものが広く一般的に知られるようになったからなのでしょう。
不動産を通常の一般的価格より安く買える可能性がある競売制度には大きな魅力もありますが、当然リスクも伴います。 このリスクを充分認識の上参加すべきです。

【競売物件の安さと危険性】

競売物件の最低競売価格は通常の一般的価格より少なくとも30%以上安く設定されています。不法占有者や不法な建物が建っていれば、その分さらに大きく割り引いた価格が設定されています。よって「競売物件は安い」と一般的に言われているのです。
しかし、不法占有者が占拠していれば立ち退き交渉、または裁判による強制執行手続きを経なければなりませんし、こういった物件は一般的の方々には適しません。

競売物件のリスクが事前に予測できないのは、裁判所から与えられる登記簿謄本や調査資料等だけでは、また物件を外観から見ただけでは(通常の売買のように中を見て確認できないので)、誰か住んでいるのか、いないのか、不法占有者なのか、債務者本人であるのか、誰なのか、100%確認できないということです。
つまり、調査資料においては空室であっても何時の間にか不法な占有者が占拠していて、競売で購入した後にこの事実が分かったということも現実にあります。(鍵を勝手に取り換えて中に入り占有してしまっているなど。)もちろん不法な占有者であれば裁判所命令で強制退去させることは可能ですが、何重にも転貸されていたりすると権利関係も複雑になり、実際に退去させるまで1年以上かかることもあります。
建物付きの物件、マンション等を競売で購入する場合、こういった危険性を100%防ぐことはプロにも難しいのです。
何ら建物等が建っていない更地の競売物件であれば、不法占有の問題は比較的避けられると言えますが、こういった物件は競争率も高く、今度は適正な価格での入札であるのか(一般的な価格より安い価格なのか)判断することが重要となってきます。
また競売の場合、専門的知識をもった不動産業者を介さないで物件を購入するわけですから、その物件自体の様々な法的規制、制限、瑕疵等を自分で調査しなければなりません。

【競売物件を買うのに向かない人(法人)】

上記の様に更地を競売で買う場合は不法占有者の問題は回避できそうですが、一夜で悪意の者が不法に建築物、大型車両、重機等を置いてしまうことは物理的には可能です。更地といえども、競売物件は常に何らかのリスクが伴う可能性はあるのです。 そこで競売に参加することに向かない人(会社)を指摘させて頂きます。

  • 資金的に余裕のない人(法人)
    競売には銀行ローンが使えないのはご承知と思いますが、そのこととは別に上記のような思わぬトラブルが発生することがあった場合、どうしても時間と追加の費用が必要となります。不法な行為であれば当然裁判等で解決を図ることは可能ですが、裁判には時間と費用がかかるのです。 競売は、なけなしのギリギリの資金で行なうものではないと考えます。
  • 不動産の調査能力のない人(法人)
    これは上記の通りです。競売物件独特のリスクの他、物件自体の様々な法的規制、制限、瑕疵等を自分で調査しなければなりません。 自分の知識を過信しないで専門家にアドバイスを求めることをお勧め致します。
  • 適正な価格を判断できない人(法人)
    裁判所が公表する最低競売価格は、時に我々が考えて明らかにおかしい、高いのでは?と思うこともあります。価格を決める不動産鑑定士の鑑定能力も万能ではありませんし、実際に誰も入札しない物件がいかに多いことでしょうか。つまり最低競売価格が高いのです。 裁判所の公表する価格は目安でしかありません。自分で各物件の価格の高い、安い、または入札するうえでの適正価格を判断するための能力、知識、情報をもっていない方が競売に参加するのはいかがなものでしょうか。そういった判断を一般の方が独自で行なうのは困難ではないかと思われます。

■競売物件の購入前には専門家による安心の「実需向け不動産調査」

不動産投資

請負契約の重要性、建物の仕様等詳細をチェック

低金利の現在、高利回り商品として各種金融投資商品同様に不動産に投資する方が増えているようです。 不動産投資で失敗しないための基礎的な7つのポイントをあげてみました。

【不動産投資をする上での基本的な注意点)】

  • 純利回りで検討すべし
    不動産の利回りは、広告等では「表面利回り」を表示し「利回り○%」とうたっていることが多いようですが、正確な純利回りは何%になるか把握していますか?「年間収入÷購入費用」で表される、いわゆる利回りにおいて、分子である年間の賃料から「固定資産税」「管理費」「修繕費」(借入を起して購入する場合は借入金利)を差し引いて、また購入費用には購入価格に「不動産取得税」「登録免許税」「仲介等手数料」「ローン手数料」をプラスして「純」の「利回り」を計算すべきです。
  • 「空室率」や将来の「賃料の低下」も考慮に入れるべし
    賃貸市場の需要と供給のバランスは今後も崩れて行くと考えられます。よって常に満室を想定した計画は非現実的と言えます。賃料の低下も見込んだ将来の収支を想定しましょう。賃料は将来どの程度下落しますか?
  • 耐震基準をクリアーしているか考慮すべし
    外資系企業が日本の不動産投資をする場合、新耐震基準に制定後に建てられたものかどうか必ず考慮に入れます。つまり阪神淡路大震災級の地震が起きた時に、建物が半壊又は全壊し、価値が大きく劣化するリスクを考慮に入れているのです。 建物の耐震性、管理・修繕状態、老朽化の程度はどれ程ですか?
  • キャピタルロスも考慮に入れるべし
    この平成11年現在の不動産市況を考える時、意見は分かれる所ですが、今後の不動産の大幅な値下がりも考慮に入れて投資すべきでしょう。つまりある程度のキャピタルロスを補填できる程度の利回りを要求すべきとも言えます。将来の予想されるキャピタルロスをインカムゲインで補える投資物件ですか?
  • 不動産投資は「立地が命」と思うべし
    空室率の問題も、賃料の低下の問題も、将来の不動産自体の価格の問題もその立地が大きく影響を及ぼすことは明白です。将来の転売の問題も全て立地が命です。 立地の善し悪しを判断する知識、経験は非常に大切です。将来的にも空室率が低いエリアですか?
  • 他の金融商品との違い
    他の金融商品との違いは、不動産に対する投資ゆえに多々ありますが、一番の明白な違いは換金性の問題でしょう。投資した不動産を現金化するには購入者を見つけて売却しなければなりません。つまり不動産投資の換金性は低いと言わざるをえません。リート=不動産投資信託の購入よりメリットのある物件ですか?よって余剰資金等での投資以外は勧められません。余剰資金での投資ですか?
  • 情報の開示の必要性
    投資用不動産の購入に当たっては、その不動産の「賃貸借契約内容」「賃借人の信用情報」「建物の管理契約(規約)内容」「修繕計画内容」「賃料の過去の推移」「周辺の実際の賃料相場の情報」等々の情報を得て初めて検討できるものです。これらの情報が開示されない(しようとしない)不動産(投資商品)の購入は勧められません。充分な情報を集め購入の判断をしていますか?

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売却

適正な売却価格、手数料のディスカウント、引渡し後のクレーム

不動産の売却で注意しなければならない3つのポイント

  • 不当に安い価格で売却されないように注意すること。なるべく相場以上の価格で売ること。
  • 売却時に仲介手数料の3%を払う必要があるのか?証券業界のようにディスカウント・ブローカーは存在しないのか?手数料を節約できないか。
  • 不動産を売って引渡した後に問題が生じ、買主からクレームがつかないようにすること。つまり安全な取引きを行うこと。

【1.のポイント】

不動産業者さんは、出来れば売主と買主両方から手数料もらうことを目指します。特に大手不動産仲介業者はこの「両手」と呼ばれる斡旋率が高いようです。しかし、より高く売却したい売主の代理と、より安く購入したい買主の双方の代理行為を1つの業者が行うことが以前から問題になっています。裁判による原告と被告の双方の代理を同じ弁護士が行うことを民法では禁止しております。双方にとっての利害が反する中、これを公平に行うことができるでしょうか?どちらか説得しやすい方を説得し、委任者の利益より売買の成立を優先させているケースが多いということはないでしょうか。 つまり彼らが査定する価格が一般的なエンド価格以下なら、彼らの既存のお客様(購入希望者)や、どこの買取業者でも喜んで購入します。
つまり簡単に買主が見つけられ、一社で売主・買主両方から手数料をもらう=「両手」ことが可能です。
しかし、一般的なエンド価格と同じか、それ以上の価格をつけた時には、相場以上で買って頂けるお客様をもっていなければ、広く買主を探さなければならいケースが多く、他の不動産業者さん等に、買主を紹介してもらわなければなりません。
よってこの場合、売主からの手数料のみしかもらえなくなります。収入は半減します。
一等地に店を構え、多くの社員を雇う大手業者では、事業採算性上この「両手」取引き(6%の手数料収入)を増やさなければ会社を維持できないビジネスモデルになってしまっています。

【2.のポイント】

売却するのに手数料がなぜ3%なのでしょうか?証券業界でも取引き手数料は一部自由化されたことにより会社によって売買手数料に数十%以上の差が出てきています。 不動産は用途、立地や規模によって売却の手間およびコストが著しく異なるという現状がございますが、案件によりおおよそ0%から2%以下の手数料で仲介を行うことも可能なのです。

【3.のポイント】

不動産を売るにもある程度の時間と手間をかけてやっておかなければならないことがあります。

  • 土地の実測測量(隣地境界杭の確認、立ち会い、捺印)、越境物の確認、撤去等
  • 地積公正(謄本上の公簿面積と実測面積が異なる時)
  • その他、重要事項説明書に記入すべき重大な事柄の調査し、問題点はしっかり重説に記入しておく

これが売主側が売却に当たってやらなければならない基本的なことですが、通常は不動産業者さんの方から指示があると思います。これをいいかげんにしておくと売却後に問題が生じる例も少なくありません。

■取引の安全をはかるには「売却コンサルティング」

土地の有効利用

何もしない有効利用、営業マンの仕事、借入過多は危険、誰に相談すべきか

人口減少、地域による二極化がますます進む現在、長期の賃料設定を間違ったマンション計画では、5年・10年後には破綻するケースも出てくるでしょう。
何も建てないことが、最も良い有効利用の場合があります。
何が最善か良く吟味し、できる限りのリスクをヘッジし、慎重に計画を進めていきましょう。
まずは、基本的な以下のことに留意して下さい。

  1. 「何も建てないで駐車場等で利用する」ことが、所有者にとって、最も適切な「有効利用」である時もある。 土地所有者の総合的な資産内容(現在の預金、借り入れ)、各土地の立地条件、相続対策上の観点等々から総合的に判断する必要があります。何も行わずに(近い将来の現金化や、資産の組み換えのため)駐車場にしておくことがベストな選択ということもあるのです。
  2. 各企業は、「自分の商品」を売るのが仕事。
    銀行員はお金を借りて貰うのが仕事(=自分の取引先に何か建てさせて、かつ建築資金を借りて貰う)。 ハウスメーカーはプレハブアパートを建ててもらうのが仕事。 大手ゼネコンは高級マンションを建てて貰うのが仕事。地元工務店は.......。
    各々が自社の商品を勧めるのは当然のことです。土地は、立地により不適切な物を建てては有効利用も失敗に終ります。最近ではマンションでもアパートでも空き家が目立って増えています。最適な利用は何か、何を建て(又は何も建てないで)、どのように運営すれば安全か。自分が借りる立場でもう一度周辺を見渡し考えてみましょう。
    「自分が住みたい物件か?」
    「息子や孫を住まわせたい物件か?」
    この問いに、仮にNoであるならば、事業を行うのはリスクが高いと言えます。
  3. 「相続対策」といって、やたらに建築資金を「借り入れ」に頼るのは危険。
    過去に相続対策に失敗し、破産してしまった資産家がいかに多いことでしょうか。無理な借り入れ依存体質、賃料収入に頼りきった事業計画は今後の賃貸市場の需給バランスを考えるとリスクが高いといえます。バブル期の前後からこれまで、無理な借入で失敗し、競売にかけられているビルマンション等が無数にあることを忘れてはいけません。
    資産の有効活用(借家事業、貸しビル事業)も、通常の会社経営と同じです。過度な借り入れ依存体質は経営の弱体化を招きます。
  4. 何を調査し判断し事業を進めるべきか?
  • 周辺エリアの賃貸市場の需給バランス→周辺では、供給過多になっていないか?
  • プランが周辺エリアに適したものか?→既に供給が多いプランを計画していないか?
  • 5年後、10年後も市場はどうなっているか?→将来の空室が出る可能性がないのか?

自ら地元の賃貸需要を調べるために、借主として不動産業者を周って需給の状況を確かめてみて下さい。又は、土地所有者の側にたって土地所有者サイドの利益とリスクを最優先に考え事業を判断することができる第三者にアドバイスを受けられることもお勧め致します。

■土地の有効利用は「土地活用診断」

家を建てる

建築請負契約書、基礎工事、金物、物件の引渡し、建設会社任せは危険。第三者による施工監理、建設会社の選択、工期

家を建てるあたっては、最低限以下のことを確認してから契約及び家の引き渡しを受けましょう。

【建築請負契約書】

この契約書は仕様設備等々細部に渡って詳しければ詳しいものでなければなりません。完成した家が自分の考えていたものとは異なっている時、たよりになるのは契約書です。大まかな、というか図面と数字ばかりの契約書は「手抜き」といえるでしょう。後後、言った言わないでは問題の解決になりません。細かい部材、金物等々まで指定した契約書が後から何かあった時に生きてきます。手抜きをされないためにも建築費をネゴした時は、尚更契約書で詳細にわたり取り決めておきましょう。

【基礎工事】

建物が完成してしまうと、基礎の部分の検査は難しいので、基礎工事の過程を全て写真で撮影し、その写真を引渡してもらう契約内容にしましょう。

【金物での補強】

阪神淡路大震災の時、在来工法の家が軒並み倒壊しましたが、これらは金物でしっかり補強していない家がほとんどでした。一方金物による補強をしっかりしていれば、地震が起きても倒壊の危険性が軽減されます。これも大きなポイントですので、写真の提出等を義務付けるか、自分で上棟時にでも必ず確認しましょう。

【物件の引き渡し】

建物が完成すると建設業者から完成した建物の「引渡し」を受けます。この「引渡し」(=通常、残金決済が同時に行なわれる)を受ける前のチェックが大変大事です。キズがないか、汚れていないか、欠陥はないか、契約したグレードの部材か、契約より安いものを使われてないか、等々詳細に厳しくチェックが必要です。
一般の方は、ここで、建物が完成した喜びのあまり詳しくチェックせず引渡しを受けてしまいがちですが、デベロッパー等はゼネコンからマンション等の引渡しを受ける前に社内の専門部隊十数人が数日かけて厳しくチェックし、問題個所があれば補修、修繕を要求します。
引渡しを受けた後の(残金決済した後の)修繕・補修等の要求はスムーズにはいきませんのでご注意を。

【建設会社任せは危険】

「あの会社は大手だから、上場企業だから」「あそこは知り合いの紹介だから」「あそこは地元で長くやっているから」ということで、自分を納得させ、建設会社に任せっきりでいるのはいかがなものでしょうか。建築工事費のコスト削減が激しい中、各社(下請けは尚の事)の収益は急激に落ちこんでいます。大手といえども倒産する時代です。儲けるためには「背に腹はかえられない」と考える会社があっても不思議ではありません。
そんな状況の中で「性善説」で家を建てようというのは危険ではないでしょうか?我々は、どんなに長い付き合いの一流ゼネコンでも厳しく契約や工事をチェックをします。決して任せっきりにはしません。「信用する」ことは大切なことですが、「任せっきり」にするのはよくありません。

【建築施工管理を第3者の専門家に依頼】

欠陥住宅等、手抜き工事を未然に防ぐには、皆様が専門家並みの知識を身につけて常に現場をチェックするか、または、利害関係のない第三者的な専門家に「施工管理業務」を委託するのが最善といえます。つまり信頼のおける建築設計事務所等に委託し、工事の過程を随時厳しくチェックしてもらう事ができれば理想的です。施工業者はいやがるかもしれませんが、これをいやがる理由を考えてみましょう?煩わしいからでしょうか。「施工管理を他社に頼む」ことは眼に見えないところでも彼らの仕事へスタンスが変るのではないでしょうか。これを強く拒否する建築業者さんは逆に要注意でしょう。
新たに施行管理費として余分な費用がかかる事ではありますが、考慮してみる価値は充分あります。

【建設会社の選択・工期】

  • 最近建設会社の倒産が相次いでおりますが、建設会社の信用力も調査する必要があります。小さな工務店なら尚更です。建設会社から、最近の同程度の現場を何件か聞き、既に住んでいる方の声を聞くのも重要です。また、倒産した時に工事を別会社に清算して、スムーズに移行できるような内容の請負契約が必要です。
  • 工事期間をチェックしましょう。やたらと工期が短い建物は要注意です。建物の引渡しを早めるため(資金繰り上、決算に間に合わせるため等)通常より短期間で工事をしている物件は、いたるところに無理から生じた問題を抱えています。

賃貸事業

賃貸事業は会社経営と同じ

アパート・マンション・ビル経営は、会社経営と全く同じように知識、能力、計画性、判断力つまり総合的な経営能力が必要です。そして当然、事業の採算性を最も重要視しなければなりません。賃貸事業は、借入を起して行なうことが多いのも会社経営とよく似ています。「何を建てるか」ということは、一般の会社で言えば「何を生産するか」「どういったサービスを提供するか」ということに当たります。つまり「何を建てるか」、これは非常に大きな、会社方針を決定することなのです。
木造アパートか、プレハブ住宅か、RC造か、輸入洋風アパートか、商業店舗か・・・ビルか、それとも何も建てないのが良いのか。ここが最初の大事な経営判断です。
賃貸事業における事業計画は、売上げが賃料収入であり、経費は税金から修繕費まで様々なものがあります。この経費はほとんどが固定費であり、毎月確実に出て行くものです。よってこの売上げ(=賃料収入)を核とした事業計画が適正なものであるか、将来に渡って現実性のあるものなのか、この判断を見誤ると、事業は失敗してしまいます。 会社経営で言えば、固定費を削減できないまま売上げ予測がくるうわけですから、当然と事業としてなりたちません。

「何かを建てて貸せば次の月から賃料が自動的に入ってきて将来にわたって安心」ということは全くありません。特にこれからの時代、全国レベルでの借り手市場が一層進むでいくでしょう。そうした状況下においては、賃貸事業には慎重かつ専門的な経営者判断が必要といえるのです。

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